泣いた。
東京営業所、栃木工場と連日にわたる新年会を終えて、あわただしく帰ろうとする早朝、ホテルのロビーの前に"ご自由に"と強調されたスタンドに入っていた新聞。道中のひまつぶしになればとカバンに詰め込み、駅に向かった。
東京まであっという間の新幹線は、ほとんどが睡眠。時間がないので乗り換えを急ぐ。少し時間ができた羽田空港で、何かおもしろそうな雑誌はないか、本はないかと物色するも、食指は動かず。お茶だけ買って機内に乗り込む。
カバンを頭の上の物入れに入れた時、新聞を持っていたことを思い出す。「どうしようか?」一瞬逡巡したが、一度座った状態から物入れを開け、新聞をとりだす。
『それは元旦の朝のことだった』1面の左下に興味をひかれ読み始める。あっやばい。もう手遅れだった。「この記事コンチクショー」と思いながら、もう止まらなかった。
涙線に自信がない人は、時と場所を考えて読んでみて。