オーエム産業㈱の栃木工場は、建物が完成したとのこと。故岡本工場長の長年の夢であった関東地域への工場進出である。工場建設の負担が加わり、厳しい経営環境になるだろうが、みんなで力を合わせて新しいオーエム産業㈱をつくっていっていただきたい。
さて、今回は社是に込めた想いをつづってみたい。オーエムグループでは各事業所に日恵上人に書いていただいた社是を額に収めて掲示している。みなさんもよくご存じの文言は次のとおりだ。
一、 旺盛なファイト
一、 科學的合理性の推進
一、 和と信
一、 原價意識の昂揚
一、 創意工夫の進展
昭和37年12月、経営規模が拡大してきた岡山メッキ工業㈱で、私は"従業員と共に歩む"姿を明確にするため、前年から行われていた企業診断の結果に基づいて、宮崎藤次郎先生のご指導によって、経営の基本理念を示すためにこの社是をつくった。
◆旺盛なファイト
自分の職場に喜びと誇りと、そして希望を持て。そこから仕事に対するファイトが生まれる。卑屈な心や、引っ込み思案にならないで、いつも誠実に、熱意をもって、仕事に真心を打ち込もう。
◆科學的合理性の推進
会社の仕事は、計画、実施、反省の繰り返しであるが、いつもその目的、方向をはっきり決め、それを系統的に研究した基礎に立って、理論的にも、実際的にもちぐはぐのないよう推し進めなければならない。
◆和と信
みんなが力を合わせ、人にも忠実であれば、不可能は無くなるであろう。このように全員が一つになった堅い心の結びつきは、わたしたちの人生に明るい永遠の光を与えてくれる。
◆原價意識の昂揚
どこより良い製品を、どこよりも安く供給し、社会公共のためにつくそう。それには何よりもまず、わたしたち一人ひとりが原価意識を強く持ち続けることだ。経営の実態を計数的につかんで、適正な価格の決定と、経営能率を増進させよう。
◆創意工夫の進展
常に研究的態度を忘れなければ、自然に創意工夫が生まれてくる。そこに良品の開発が行われて、会社の幸福が、急速にしかも限りなく前進する。
以上、五カ条である。何かに困ったとき、立ち戻る原点である。