箱入り娘

WRITER品質管理課 犬飼利美

箱入り娘

その子の名は〔はな〕。とってもかわいくて毛並みもちょっと長めでふわふわしていてやんちゃで気分屋で小心者です。3年ほど前に拾われてわが家にやってきました。もちろん女の子です。どのくらい小心者かというと、ちょっとした音に敏感に反応して飛び上がります。ひどい時など50cmほど飛びます。そして〔はな〕自身で飛び上がったことに驚いている顔をしています。


この頃ちょっと思うんですが、猫って人間の言葉がわかるんじゃないかなって。家族で〔はな〕の話をしているとずっと見るんです。さも何を言っているの? 私の事?って感じで。その顔がちょっときょとんとしていてかわいいんです。一つ一つの動作や仕草が、あまりにかわいいから外にだしたら誘拐されるかも(笑)って室内猫にしています。これって親バカならぬ飼い主バカ? やはり外がとっても気になるらしく隙をみては外にでようとしています。だからだっこして外に散歩に連れて行っています。外に出たらくしゅんくしゅんって花粉症みたいなくしゃみをします。私たち家族は、〔はな〕は花粉症だって決め付けています。もしかしたら毛が長いからかもしれませんが。自転車や自動車が怖いらしくその音がしたら必死になってしがみつきます。爪をたてるのでちょっと痛いんだけど散歩に連れて行くのが楽しいです。そういえば、2ヶ月前くらいの事なのですが、脱走したんです。とっても寒い夜の中、必死で探したんだけど結局見つからず、翌日、お腹をすかして鳴きながら帰ってきました。この脱走はどうやら計画的だったようです。玄関の影に隠れて静かにダッシュで逃走したようなんです。いつもの脱走なら駐車場の車の下で丸くなるのに・・・。少しの間でも家にいないと、とっても寂しくなります。だから、我が家のアイドルで《箱入り猫娘》です。

 

 


とってもちっちゃい「はな」です♪そんな〔はな〕の天敵は、甥っ子の襲撃です。最近はもう大きくなった甥っ子たちですが、2・3年前は、とんでもなくやんちゃで〔はな〕がおもちゃでした。生きている動物にさわるのが楽しくて怖くて足やシッポをひっぱるなんていつものこと。〔はな〕が反撃で爪をだすと〔はな〕が怒られるってな感じで、いつしか甥っ子の声がしたら姿を見せなくなっていました。最近では、ちゃんと撫で撫でできるようになったから〔はな〕も安心してみんなのところにいます。しかし、甥っ子が騒ぎ出すと2階へと瞬時に避難しています。まだまだ甥っ子が怖いのかな?


〔はな〕は、私の旦那さんがとっても大好きなのです。旦那さんが夜勤の週だと部屋をひとまわりして悲しそうに部屋から出ていきます。なんでそんなに旦那さんがいいのか? わからない! 部屋に夫婦でいる時には、真ん中に入って堂々と横になるってな感じ。〔はな〕にライバルって思われているのかなぁ? そんな〔はな〕でも家に私しかいない時は、甘えてきます。それがかわいいから憎めないんだなぁ。これも〔はな〕の作戦なのかしら? こんな愛猫ですが、我が家にとってかけがえのない家族、《箱入り娘》なのです。


オーエム産業㈱ 技術課(当時) 犬飼利美(第42号:2005年4月)


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