2011.05.30

グループニュース

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PEC第27回海外産業視察団に参加して オーエム機器㈱ 富山裕之

このたび、PEC産業教育センター主催「第27回海外産業視察団(2011年2月27日~3月3日)」にて、経済急成長の国タイランドに行く機会を与えていただきました。目的はトヨタ自動車バンポー工場見学及びエイシアンスタンレーインターナショナル(ASI)にて、タイ人改善メンバーとの交流そして改善競争を実施することです。


まず最初に訪れたトヨタ自動車バンポー工場では、アジアで人気のピックアップトラック(ハイラックス)を年間平均13万台生産しており、好調な2010年度は20万台を突破する計画と、まさに快進撃の工場といえます。2007年1月に操業開始ということで、特に環境に力をいれており、ビオトープ(工場周辺緑化運動)として、工場排水を浄化した水を流して人工的に森林を作成したり、工場廃棄物からレンガをつくり森林の歩道に敷き詰めるなどリサイクルはもちろん、太陽光発電、全社的に展開している4種類のゴミの分別など、タイ国内においても環境にやさしい、省エネ工場のモデルラインとなっています。


 
 
 
生産ラインもプラットホームは1つながらも異なるボディの混流生産にトライしており、サイクルタイムも現在は90秒ですが、今年中に60秒にするべく改善中と、日本国内同等レベルの生産能力でありました。


また、タイ人の高いスキルにより、現地マネージャーも育成した結果、従業員3,000人中、3名の日本人スタッフのみで運営できるよう、徹底したマニュアル化と、教育体制を成功させております。


翌日には、改善実習、発表会をエイシアンスタンレー(ASI)にて実施させていただきました。ASIは1988年操業、生産品目はLEDやカメラ用ストロボ、自動車用電子部品などの製造をクリーンルームを中心に行っています。ASIのスタッフは「生産数の倍増、工場増設のため、人材不足傾向をなんとか活人で乗り切りたいと社内改善活動(SNAP)で取り組んでいる。」とのこと。


われわれ研修生にも活人の期待が寄せられます。


早速4班に分かれて5時間によるタイ人メンバーとの合同改善がスタートし、各テーマに取り掛かりました。数ミリという部品と数メートルという小さなラインで改善していくことに、手強い改善内容と悩みましたが、現地スタッフと日本語⇔タイ語、通訳を交え身振り手振りで意思疎通し、結果全グループで活人合計20名、活スペース33㎡のムダとりができました。


私がリーダーを努めたA班では、ASIスタッフの非常に高いモラールのおかげで、ラインを大幅改造し、一人屋台ラインを完成させ、7名の活人に成功、30分の作業教育とムダ取りの結果、現在のサイクルタイムを上回る成果を達成することができました。


その結果、各班改善発表で1位となり、PEC山田日登志所長より栄えある「ASI改善大賞」の盾をいただき、国境を越えたメンバー一同、喜びを分かち合いました。


タイの人々は生活のために、また自分のスキルに磨きをかけるために技術の習得に貪欲です。日本にあこがれ、日本に追いつくために本気でひとりひとりが真剣に仕事に改善に取り組んでいます。我々日本人はどうでしょうか? 生産大国の中国が賃金上昇により、製造業はタイを中心としたアジアにシフトが始まっております。日本の10分の1の賃金で日本人を上回る労働力、日本以上の環境基準をクリアした新工場・・・日本における製造業の国内拠点の活かし方について考える必要があります。


この研修を通じて自分が感じていた以上、タイ国の産業は確実に進んでおり、時にして脅威すら覚えました。しかし、我々はPECで学んだ改善魂があります。早速もう一段、ギアチェンジして業種を超えた改善仲間とともに精進していく決意をメンバー一同、タイの夜空に誓いあいました。(そして、国際交流を深めるべく、タイの夜の街に全員で繰り出したことはいうまでもありません。)


この研修の機会を与えてくださいました、中四国PEC協会の方、そして参加にご協力いただきました社長をはじめ、オーエム機器製造メンバーの方々に深く感謝申し上げます。


オーエム機器株式会社 富山裕之


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